コロコロコミックのポケモンピッピについて、最終回や打ち切りの理由、そして現在アニキ編などでどうなっているのか、あのギエピーという鳴き声が懐かしくて気になっている方も多いのではないでしょうか。あのぶっ飛んだギャグ漫画が今どうなっているのか、ふと思い出すことってありますよね。私も子供の頃はよく腹を抱えて笑ったものです。この記事では、そんな穴久保幸作先生が描く伝説のギャグ漫画の歴史から、現在に至るまでの歩みを詳しくまとめました。懐かしい思い出に浸りながら、今の活躍も知っていただけるかなと思います。
- 穴久保版ポケモン漫画が20年以上続いた歴史的な背景
- 原作設定を大胆に無視した独自のギャグ路線の秘密
- 本誌での最終回と打ち切りの噂に関する本当の真相
- アニキ編から現在に至るまでの最新の連載状況と活躍
コロコロコミックのポケモンピッピの歴史
- 伝説の鳴き声ギエピーの影響力
- 原作設定を無視した独自の理由
- レッドとピカチュウの異常な絆
- 歴代シリーズの変遷と長期連載
- 異色ジャンルに挑む作者の凄み

伝説の鳴き声ギエピーの影響力
原作における可愛らしい妖精という設定の完全な崩壊
穴久保版ポケモンを語る上で絶対に外せないのが、主人公であるピッピの存在そのものですね。原作ゲームの『ポケットモンスター』におけるピッピといえば、おつきみやまなどで稀に出現する、愛くるしい妖精のような外見を持った非常に可愛らしいポケモンです。本来であれば、ピカチュウと並んでゲームの顔になり得たほどのマスコット的な魅力を持っています。しかし、穴久保幸作先生が手掛けるこの漫画版においては、その公式の可愛らしい設定が根本から木端微塵に破壊されています。読者の目の前に提示されたのは、異常なまでに食い意地が張った太満体型で、どこからどう見ても不潔極まりない、強烈なデフォルメが施されたギャグキャラクターとしてのピッピでした。この常軌を逸したキャラクター造形は、当時のコロコロコミックを読んでいた純粋な子供たちに、トラウマ級の絶大な衝撃を与えたと言っても過言ではありません。
「ギエピー!」という鳴き声が生まれた奇跡的な背景
そして、この太ったピッピのアイデンティティを決定づけたのが、彼が驚愕した際や恐怖を感じた際に発する「ギエピー!」という独特すぎる悲鳴です。連載当初から、ピッピは語尾に「〜ッピ」と付けたり、「ピハハハハ」という下品極まりない笑い声をあげたりしていましたが、とりわけこの「ギエピー」という鳴き声のインパクトは群を抜いていました。レッドから理不尽なツッコミ(物理的な暴力を含む)を受けた時や、強力な敵ポケモンを前にして絶望した時に、顔面をくしゃくしゃにして叫ぶこの悲鳴は、漫画の枠を超えて読者の脳裏に深く刻み込まれました。当時の小学校の教室や校庭では、休み時間になるたびに誰かが「ギエピー!」と叫んでふざけ合うという、ちょっとした社会現象が起きていたほどです。
インターネット社会におけるミームとしての爆発的な拡散
この「ギエピー」という言葉は、時間が経過しインターネットが普及した現代において、さらに恐ろしいほどの影響力を持つようになりました。最初は単なる漫画の中の悲鳴の一つに過ぎませんでしたが、現在では「穴久保版ポケモン(あるいはコロコロコミックのポケモンピッピ)」という作品そのものを指し示す、独立したインターネットミームとして強固な市民権を得ています。SNSや動画共有サイトのコメント欄などで、この作品の話題が出る時は、正式なタイトルよりも先に「ギエピーの漫画」と呼ばれます。大手ニュースメディアが連載再開などのニュースを報じる際にも、記事のタイトルや見出しに「【ギエピー】」と付けるだけで、20代後半から30代の読者が「あの漫画のことか!」と瞬時に理解し、爆発的に拡散される(バイラル効果を生む)という現象が起きています。公式メディアでさえも、このキャッチーな擬音を用いることで読者のノスタルジーを刺激し、アクセスを集める戦略を採っているのは本当にすごいことだと思います。
「ギエピー」というたった4文字のカタカナが、一つの時代を象徴するポップカルチャーの記号としてネット上に深く根を下ろしており、数十年が経過した今でも定期的な検索需要を生み出し続ける「エバーグリーン(不朽)」なキーワードになっているのです。
私の小学生時代のリアルな熱狂と思い出
私自身も、小学生の頃は毎月15日のコロコロコミックの発売日を心待ちにしていました。ゲームボーイで『ポケットモンスター 赤・緑』を遊びながら、同時にこの漫画を読んでいた世代です。ゲームの中では苦労しておつきみやまでピッピを捕まえたのに、漫画を読むとあまりにも下品でふざけたピッピが暴れ回っている。そのギャップがたまらなく面白くて、ゲーム内で捕まえたピッピのニックネームを迷わず「ギエピー」にしてしまった経験があります。きっと、私と同じような遊び方をしていた同世代の方は全国にたくさんいるのではないでしょうか。この作品は、単なるタイアップ漫画ではなく、私たちの子供時代の日常に深く入り込んでいた、かけがえのないエンターテインメントだったと今でも強く感じています。
原作設定を無視した独自の理由
ポケモンが人間の言葉を流暢に話すという衝撃的な改変
このコロコロコミックのポケモンピッピを、他の公式アニメーション作品や後発のシリアスなコミカライズ作品(たとえば『ポケットモンスターSPECIAL』など)と明確に区別している最大の要素が、原作ゲームの設定を意図的かつ大胆に無視した荒唐無稽な世界観です。その最たる例が、ほぼ全てのポケモンが人間の言葉を当たり前のように流暢に操り、さらには文字の読み書きや複雑な計算までこなしてしまうという設定です。本来の原作ゲームや公式アニメの世界線において、人間の言葉を話すことができるポケモンは、ロケット団に所属するニャースなど、ごく一部の特異な個体に限定されています。しかし、穴久保先生の描く世界では、ポケモン同士の日常的な会話はもちろんのこと、ポケモンと人間の間でも極めて高度な言語的コミュニケーションがごく普通に行われています。しかも、その会話の大部分が口汚い罵り合いや、漫才のようなボケとツッコミで構成されているのです。
ギャグ漫画としてのテンポを生み出すための必然的な選択
一見すると、これは原作に対するリスペクトを欠いているように捉えられるリスクのある設定改変かもしれません。しかし、なぜこのような独自の世界観を構築したのかと深く考えてみると、そこには「児童向け月刊誌のギャグ漫画としての最適化」という、極めて合理的な理由が存在していることがわかります。コロコロコミックという限られたページ数の中で、テンポよく起承転結を作り出し、低年齢層の読者に直接的な笑いを提供するためには、ポケモン自身に主体性を持たせ、ギャグの起点とする必要があったんですね。もしピッピが「ピッピ!」としか鳴けない設定のままだったら、レッドが一人で状況を説明して一人でツッコミを入れ続けなければならず、あの破壊的なテンポの良さは決して生まれなかったでしょう。言語能力をポケモンに付与したからこそ、ピッピ自身がボケて物語を引っ掻き回すことが可能になったのです。
進化と退化を繰り返す特撮ヒーローのようなシステム
もう一つの顕著な設定改変が、ポケモンの生態の根幹をなす「進化」の概念の独自解釈です。原作ゲームにおける進化は、特定のレベルに達したり、特定のアイテムを使ったりすることで発生する不可逆的な現象であり、基本的には一度進化したら元の姿に戻る(退化する)ことは不可能とされています。ところが、穴久保版においては、進化の石を使用するなどの一部の例外エピソードを除き、ポケモンたちは自らの意思で戦闘時に自由に進化し、戦闘が終われば瞬時に元の姿へと退化(事実上の変身)することが可能となっています。このシステムのおかげで、バトルパートでは一時的に強力な進化形態(例えばピッピがピクシーになったり)となって派手な必殺技を繰り出し、日常のギャグパートに戻ると再び元のデフォルメされた丸っこい姿に戻るという、まるで特撮ヒーロー番組の変身メカニズムに似た強引かつ痛快な展開が実現しました。
月の石で進化したピクシーが老人になってしまう伝説のエピソード
進化にまつわる独自設定の中で、特に当時の読者に語り草となっているのが「月の石」を巡るエピソードです。あるお話で、ピッピが本来のゲームの仕様通り「月の石」を使ってピクシーへと進化したことがありました。進化したピクシーは圧倒的な戦闘力を手に入れ、敵を蹴散らして大活躍したのですが、なんとそのパワーアップの代償(副作用)として、進化が解けなくなった上に「じいさんポケモン」になってしまい、ヨボヨボに老化してしまうという衝撃の展開が待っていました。原作のアイテム進化システムを逆手に取った、強烈すぎるブラックジョークです。このように、原作のルールをただなぞるのではなく、漫画ならではの笑いに昇華させるためにあえて設定を壊していくスタンスこそが、この作品を単なるタイアップの枠を超えた独立したギャグ漫画として成立させている最大の理由だと言えますね。

レッドとピカチュウの異常な絆
主人公レッドの粗野な性格と隠された熱血漢としての顔
ピッピの相棒であり、本作の主人公であるポケモントレーナーのレッド(本名:赤井 勇)もまた、原作のイメージから大きくかけ離れた強烈な二面性を持つキャラクターとして描かれています。オーキド博士の依頼を受けてマサラタウンからポケモン図鑑の完成を目指して旅立つ、という大まかな設定こそ原作ゲームに忠実ですが、その性格は原作の「無口でクールな主人公」像とは完全に乖離しています。この漫画のレッドは極めて口が悪く、乱暴で、直情型です。本来であれば大切な相棒であるはずのピッピに対して、毎回のように「このデブ!」「足手まといだ!」と邪魔者扱いし、時には危険な罠にピッピを囮として放り込み、危機的状況においては平然と見捨てて自分だけ逃げようとするなど、冷酷とも言える態度を平気でとります。しかし、その根底には決して悪事を許さない熱血漢としての強い正義感が流れており、ロケット団などの悪党が相手となれば、いざという時にトレーナーとしての確固たる矜持と勇気を見せるという、ズルいくらいにカッコいい二面性を持っているんですよね。
目的と手段が完全に逆転したレッドの狂気的な日常行動
レッドの面白さは、時折見せるギャグ漫画特有の常軌を逸した行動原理にあります。例えば、日常の何気ないギャグパートにおいて「病院で予防注射を打つことになったレッドが、その注射の痛みに耐えるためだけに、何日も前から血を吐くような過酷な筋肉トレーニングをひたすら行う」という、目的と手段が完全に破綻した狂気的な思考回路を披露したエピソードがありました。また、極度の女好きという設定も付与されており、カスミやエリカなどの美女が絡むイベントが発生すると、普段はトラブルメーカーであるはずのピッピをもドン引きさせるほどの凄まじい暴走を見せることがあります。しかし、これほどまでに破天荒で奇行を繰り返す性格でありながら、ポケモントレーナーとしての実力と実績は紛れもなく本物なんです。数々のトラブルを乗り越えながら、最終的にはカントー地方の151匹のポケモン図鑑を見事に完成させ、さらにはポケモンリーグをも制覇してチャンピオンに登り詰めているわけですから、この「ふざけているようで実はめちゃくちゃ優秀」というギャップが、レッドというキャラクターの奥深さと魅力を生み出しているのだと思います。
ピカチュウがピッピのいとこに設定された生物学的な謎
そして、レッドのパーティーに加わったもう1匹の重要なパートナーポケモンであるピカチュウは、本作において最も独特かつ不遇なポジションを与えられています。公式のアニメーション作品において世界的な大スターとなり、不動の看板キャラクターとなったピカチュウですが、穴久保版においてはなんと「ピッピの従兄弟(いとこ)」であるという、生物学的な分類(妖精ポケモンとねずみポケモン)を完全に無視した衝撃のオリジナル設定がなされています。ピッピとピカチュウが親戚関係にあるという設定は、おそらく全メディアミックスの中でもこの漫画だけであり、初めて読んだ時は「どういう家系図なんだ!」と突っ込まずにはいられませんでした。
性格や能力の面でも、不潔で無能で卑怯なピッピとは完全な対極に位置するように設定されています。勉強からスポーツ、さらには料理や掃除に至るまで、あらゆる課題を万能にこなす、非常に真面目で心優しい優等生キャラクターとして描かれているのが特徴です。
完璧なエリートであるライバルのグリーンとリザードンの対比
しかし、ピカチュウはその真面目さと優秀さゆえに、ピッピが引き起こす理不尽な騒動の最大の被害者となることが宿命づけられています。毎回のようにピッピの身勝手な行動に巻き込まれ、物理的にも精神的にもひどい目に遭う「不憫な苦労人」としての立ち位置を確立しており、ピッピの異常性を際立たせるための完璧なコントラスト(引き立て役)として機能しているのです。また、対比構造といえば、レッドの幼馴染にして最大のライバルであるグリーン(緑川 開)の存在も忘れてはいけません。粗野で貧乏くさいレッドとは対照的に、キザでプライドが高く、裕福な家庭の出身でポケモントレーナーとしての才能にも恵まれているという、完璧なスマートキャラクターとしてデザインされています。グリーンのパートナーである優秀なヒトカゲ(のちに強力なリザードンへと進化)と、レッドの無能なピッピという明確な対比は、二人のライバル関係を視覚的にも強調し、物語に深い奥行きを与えています。この絶妙なキャラクター配置のバランス感覚こそが、長年読者を飽きさせない秘密なのです。
歴代シリーズの変遷と長期連載
初代赤・緑の発売と同時に産声を上げた奇跡の漫画
穴久保版『ポケットモンスター』の歴史を語る上で欠かせないのが、その特筆すべき連載期間の圧倒的な長さと、原作ゲームの進化に伴う柔軟なシリーズ展開の歴史です。本作品は、日本の児童向け漫画史のみならず、ゲームを中心とした巨大なクロスメディア戦略の歴史においても、極めて特殊かつ重要な立ち位置を確保しています。連載の幕開けは、すべてのはじまりである初代原作ゲーム(出典:株式会社ポケモン公式『ポケットモンスター 赤・緑』製品情報)が発売された1996年と同年にまで遡ります。具体的には、『別冊コロコロコミック』の1996年4月号にて先行して連載が開始され、その後、同年9月号から本誌である『月刊コロコロコミック』での連載も堂々とスタートしました。ゲームの発売直後という、まだポケモンというコンテンツが海のものとも山のものともつかない黎明期から、この世界観を作り上げていたことは驚嘆に値します。
四半世紀にわたってタイトルを変えながら走り続けた記録
それ以降、株式会社ポケモン(連載開始当時は任天堂およびゲームフリーク)から新作ゲームがリリースされて新しい地方が舞台になるたびに、本作も休載することなく、その舞台や登場する新ポケモンに合わせてタイトルを少しずつ改題しながら連載を継続してきました。2019年に『月刊コロコロコミック』本誌での連載が終了するまでの間、本作の連載期間はなんと23年という信じられないような驚異的な記録に達していました。これは、同じくコロコロコミックにおける伝説的な長寿漫画である、沢田ユキオ先生の『スーパーマリオくん』に次ぐ、歴代第2位の長期連載記録です。一つのギャグ漫画が、基本的なフォーマット(レッドとピッピの掛け合い)を変えることなく、四半世紀近くも第一線の児童誌で連載され続けた事実は、出版業界やエンターテインメント業界における一つの奇跡とも言えます。当時の小学生が大人になり、その子供がまたコロコロを読んでピッピで笑うという、世代を超えた共有体験を生み出したのです。
原作ゲームの世代交代に伴う緻密なシリーズ改題履歴
ここで、原作ゲームの世代交代に合わせてどのようにシリーズが変遷してきたのか、その詳細な歴史をデータベースとして表にまとめてみましょう。このリストを見るだけでも、いかに長く、そして深くポケモンシリーズと寄り添ってきたかが一目でわかるはずです。
| シリーズ名称 | 発表・連載期間 | 単行本巻数 | 対応する原作ゲーム世代 |
|---|---|---|---|
| ポケットモンスター | 1996年 – 2002年 | 全14巻 | 初代『赤・緑・青・ピカチュウ』世代 |
| ポケットモンスター R・S編 | 2003年 – 2006年 | 全6巻 | 『ルビー・サファイア・エメラルド』世代 |
| ポケットモンスター D・P編 | 2006年 – 2009年 | 全5巻 | 『ダイヤモンド・パール・プラチナ』世代 |
| ポケットモンスター HG・SS編 | 2009年 – 2011年 | 全2巻 | 『ハートゴールド・ソウルシルバー』世代 |
| ポケットモンスター B・W編 | 2010年 – 2013年 | 全4巻 | 『ブラック・ホワイト』世代 |
| ポケットモンスター X・Y編 | 2013年 – 2016年 | 全5巻 | 『X・Y』世代 |
| ポケットモンスター サン・ムーン編 | 2016年 – 2020年 | 全4巻 | 『サン・ムーン』世代 |
| ポケットモンスター ソード・シールド編 | 2020年 – 2021年 | 単行本未定 | 『ソード・シールド』世代(別冊コロコロ等) |
商業的な役割と独自の世界観の完璧な両立
上記の表が示している通り、本作品は単一のタイトルに頑なに固執するのではなく、最新の原作ゲームを子供たちに知ってもらうためのプロモーションという極めて重要な商業的役割をしっかりと担いながらも、作品の根幹にある「ギエピー!」の荒唐無稽な世界観だけは絶対に曲げないという、離れ業をやってのけました。新しいポケモンが登場しても、ピッピが「うまそうだッピ!」と食べようとしたり、逆にボコボコにされたりする黄金のフォーマットは健在で、どんなにゲームのグラフィックが進化しても、漫画の中は常に泥臭い昭和のギャグテイストを保ち続けていました。この歴史的な連続性と一貫性こそが、今なお多くの検索ユーザーに対して深い納得感と安心感を与え、心に残り続ける要因になっていると私は確信しています。

異色ジャンルに挑む作者の凄み
ヤンキー漫画の金字塔『おれは男だ!くにおくん』の系譜
穴久保版『ポケットモンスター』が持つ、他の追随を許さない独自の研ぎ澄まされたギャグセンスや、時に残酷なまでに振り切った極端なキャラクター造形をより深く理解するためには、原作者である穴久保幸作先生の漫画家としての輝かしい経歴と、他の代表作との相関性を分析することが非常に有益です。実は穴久保先生は、ポケモン連載を開始するずっと以前にも、『月刊コロコロコミック』において看板作品の一つとなる『おれは男だ!くにおくん』という超大ヒット作を世に送り出しているレジェンド作家なのです。同作は、当時大人気だったファミコンのアクションゲームを原作とし、熱血硬派な不良主人公であるくにおくんが、必殺技であるマッハパンチやマッハキックを駆使して、街の不良や悪党たちを一網打尽にするという痛快なアクションギャグ漫画でした。周囲の親友や悪友たちを巻き込みながら、ハチャメチャな大騒動を繰り広げていくというその骨太な作風は、当時の児童たちから熱狂的な圧倒的支持を得ていました。
ヤンキーギャグのDNAがレッドとピッピに受け継がれた
この『くにおくん』の長期連載を通じて培われた、「口は極端に悪いが根は絶対に仲間を見捨てない熱血漢の主人公」「ドタバタと周囲の人間や建物を巻き込んでいく破壊的でスケールの大きなギャグ展開」「理不尽な暴力描写と、それに対する息もつかせぬテンポの良いツッコミ」という確固たる漫画的文脈が、そのまま穴久保版ポケモンのレッドとピッピの歪な関係性にスライドして適用されていると分析することができます。すなわち、レッドの粗野で乱暴な振る舞いや、ピッピに対する容赦のない物理的ツッコミ(ハリセンで叩いたり、蹴り飛ばしたり)は、コロコロコミックの黄金期を力強く支えた伝統的なヤンキー・不良ギャグ漫画のDNAを色濃く受け継いだ、ある種の「様式美」としての結果なのです。だからこそ、表面上の過激さの裏に、どこかカラッとした読みやすさと爽快感が同居しているのだと思います。
まさかのデスゲーム『サウナウォーズ』への挑戦
さらに興味深く、穴久保先生の底知れぬ凄みを感じさせるのが、近年の作家活動における異ジャンルへの挑戦です。先生は現在、デジタル媒体である『週刊コロコロコミック』において『サウナウォーズ』という完全オリジナルの最新作を精力的に発表されています。この作品は、先生自身が約40年近くにわたり、週に3〜4回もサウナに通い詰めるほどの筋金入りの大のサウナ愛好家(サウナー)であるという実体験をベースにして創作されたものです。しかし、単なる「サウナって気持ちいいよね」という流行りの日常系エッセイ漫画や紹介漫画などでは決してありません。その内容は、なんとまさかの「サウナ×デスゲーム」という、コロコロ読者の常識を覆す極めて異色でバイオレンスなジャンルとなっているのです。
「密室のサウナで起きた、命を賭けた12分間の出来事」を描き、「生きるか、死ぬか」という極限状態をテーマにしたこの『サウナウォーズ』は、児童向けギャグ漫画の旗手として認知されてきた穴久保先生が、読者の死生観を揺るがすようなシリアスなサスペンスに真っ向から挑戦した意欲作です。
不条理なギャグと極限状態のデスゲームに共通する狂気
一見すると、和やかな(?)ポケモンのギャグの世界とは全く異なる別次元のジャンルに見えます。しかし、極端に閉鎖された理不尽な状況下において、追い詰められた人間の(あるいはキャラクターの)滑稽さ、必死さ、そして心の奥底にある狂気をまざまざと描き出すという点においては、ピッピたちが長年繰り広げてきた不条理なギャグ展開と根底の部分で強く共鳴していると感じざるを得ません。日常の延長線上にある狂気を描き出す穴久保先生の持つ「常識を超えた過剰な状況設定」を構築する圧倒的な作家性こそが、20年以上の長きにわたり、ポケモンという巨大な公式の枠組みの中で、本作が独自の毒々しい輝きを放ち続けることができた最大の理由なのでしょう。時代やジャンルが変わってもブレないこの魂の強さに、いち読者として深い尊敬の念を抱かずにはいられません。
コロコロコミックのポケモンピッピの今
- 打ち切りの噂が流れた本当の理由
- 読者に衝撃を与えた本誌最終回
- 現在はアニキ編等で連載継続中
- ミアレシティを舞台にした復活

打ち切りの噂が流れた本当の理由
長寿漫画の終了によるネット上の根拠のない憶測
「コロコロ コミック ポケモン ピッピ」に関連する検索キーワードのサジェスト(予測変換)を見ていると、とりわけ検索ボリュームが大きく、多くのユーザーの強い関心を集めているのが「打ち切り」「最終回」「理由」といった、少しネガティブなニュアンスを含むキーワード群です。実際、インターネット上の掲示板やSNS、あるいはまとめサイトなどにおいて、本作品に関する「人気が落ちて打ち切られたのではないか?」という説がまことしやかに囁かれているのを目にしたことがある方もいるかもしれません。しかし、先に結論から申し上げておきますと、この「打ち切り説」は完全に誤った情報であり、根拠のない単なる噂に過ぎません。では、なぜ長年愛されてきた名作に対して、このような悲しい噂が流れてしまったのでしょうか。その背景には、2019年に発生した本作品の「一つの大きな転換期」が関係しています。
月刊コロコロコミック500号目前での劇的な「最終回」
噂の発端となったのは、2019年10月15日に発売された『月刊コロコロコミック11月号』において、23年間という長きにわたり一度も休むことなく連載が続いた穴久保版『ポケットモンスター』が、ついに「最終回」を迎えるという劇的な展開があったことでした。この時期の月刊コロコロコミックは、なんと通巻500号という歴史的な大台を目前に控えた、雑誌全体が非常にお祝いムードに包まれた記念すべきタイミングでした。そのお祭りのような状況の中で、雑誌の顔とも言える看板長寿漫画の一つがいきなり幕を下ろすという事実は、当時の現役読者はもちろんのこと、ネットニュースなどでその事実を知ったかつての読者(大人たち)にも多大な衝撃を与えました。「ついにピッピが終わってしまうのか」という喪失感と驚きが日本中を駆け巡ったのです。
「月刊誌での連載終了」という事実の独り歩き
この「月刊誌であるコロコロコミック本誌での連載終了」という表面的な事実のみが、ネット上で急速に独り歩きしてしまいました。詳細な事情を知らない人々が「あんなに長く続いていたのに終わるということは、読者アンケートの順位が低迷したから強制終了させられたに違いない」と憶測で語り始め、それがいつの間にか「打ち切り」という言葉に変換されて拡散してしまったというのが、噂が広まった本当の理由です。漫画業界において、突然の最終回=打ち切りと結びつけられやすいのは仕方のないことかもしれませんが、本作に限っては全く事情が異なります。
実際の最終回の内容と、その後の見事な展開を詳細に検証すれば、これが決して不本意な「打ち切り」などではなく、極めて計画的かつ前向きな「媒体への移行」、いわば読者と共に成長するための「名誉の卒業」であったことが明確にわかります。
読者に衝撃を与えた本誌最終回
23年間の集大成にふさわしいファンサービス満載の展開
では、その2019年の『月刊コロコロコミック』本誌での最終回のエピソードは、一体どのような内容だったのでしょうか。それは、不人気で打ち切られる作品にありがちな、伏線を回収できずに強引に終わらせるような唐突な終わり方とは対極にある、23年間の集大成にふさわしい緻密で感動的な構成でした。物語の冒頭は、過去の連載(赤・緑時代からサン・ムーン時代まで)に登場した懐かしいポケモンたちや、かつてのライバル、おなじみのキャラクターたちが一堂に大集合するという、往年のファンなら思わず涙腺が緩んでしまうような、豪華なファンサービスに溢れた展開で幕を開けました。読者はこの時点で「ああ、本当にピッピたちとお別れなんだな」と寂しさを噛み締めたはずです。
レッドがピッピに見せた「不気味すぎる優しさ」
しかし、そこは一筋縄ではいかない穴久保版ポケモン。感動的なお別れムードで終わるはずがありません。物語の核心として描かれたのは、背筋が凍るようなシュールな光景でした。普段はピッピに対して息を吐くように暴言を吐き、時にはハリセンで叩き、冷酷に振る舞い続けてきたレッド(赤井勇)が、なぜかこの日に限って、ピッピのためにテーブルいっぱいの超豪華な食事を用意し、異常なまでの「優しさ」と「笑顔」を見せたのです。いつもなら隙あらばピッピを盾にするレッドが、「さあ、たくさん食べなよ」と優しく語りかけるその姿は、一見すると長年の絆を感じさせる感動的なシーン……のようでいて、長年レッドの極悪非道ぶりを見てきた読者からすれば、どこかホラー要素を含んだ狂気的な恐怖を感じさせる異常事態でした。
当時の公式の煽り文句(アオリ文)でも「レッドが優しい…なんか怖い!!」とストレートに表現されていたほどです。この「レッドの不気味な優しさの理由」こそが、最終回の最大のミステリーとして機能し、読者のページをめくる手を加速させました。
打ち切りではなく「移籍(卒業)」という真のサプライズ
そして、ピッピが怯えながらその豪華な食事を口にし、レッドの真意を問い詰めたエピソードのラストには、読者を驚愕させる重大な発表が用意されていました。それは、レッドが優しかった理由は「お別れ」だからではなく、「新しいステージへ向かうための壮行会」だったというオチです。作品そのものが完全に完結して消滅するのではなく、今後の活躍の舞台を兄弟誌である『別冊コロコロコミック』や、より高い年齢層(かつての読者である大人たち)を明確なターゲットとした『コロコロアニキ』、さらにはスマートフォンで手軽に読めるデジタル媒体の『コロコロオンライン』へと移すという、堂々たる「移籍の発表」だったのです。すなわち、「打ち切り」という悲しい噂は完全に誤りであり、実際にはターゲット層の加齢に伴う読者層の最適化、および時代のデジタルシフトを見据えた、極めて戦略的で名誉ある「月刊誌からの勇退劇」だったと結論付けることができます。読者を最後までハラハラさせ、笑わせて終わる、まさに最高の幕引きでした。
現在はアニキ編等で連載継続中
大人になった読者に向けた『コロコロアニキ』への帰還
月刊コロコロコミック本誌という、子供たちの最前線の舞台を見事に卒業した穴久保版『ポケットモンスター』ですが、彼らの冒険とドタバタ劇はそこで終わることはありませんでした。卒業発表の宣言通り、かつての読者である大人たち(中学生、高校生、そして社会人となった当時のファン)をメインターゲットとした青年向け(?)の兄弟誌『コロコロアニキ』において、「ポケットモンスター アニキ編」とタイトルを改めて、すぐに連載が開始されました。このアニキ編では、子供の頃に「ギエピー!」と叫んで笑っていた世代に向けて、当時の泥臭くも勢いのあるギャグのノリを一切変えることなく、さらには大人だからこそ少しニヤリとできるようなメタ的なギャグも交えながら、懐かしくも新しい物語が紡がれていきました。
デジタル媒体『コロコロオンライン』と『週刊コロコロ』への進出
その後、出版業界全体のデジタル化の波に乗り、『コロコロアニキ』が紙の雑誌としての役割を終えてデジタル媒体へと移行したことに伴い、ピッピたちの活躍の場もWebへと広がりました。現在は小学館が運営する公式のWebメディアである『コロコロオンライン』および、無料で毎日さまざまな漫画が楽しめる『週刊コロコロコミック(デジタル版)』へと発表の場を完全に移し、しぶとく、そして逞しく連載を継続しています。紙の雑誌からスマホの画面へと読む媒体は変わっても、ピッピの不潔さと食欲、レッドの理不尽なツッコミ、そしてピカチュウの不憫さは何一つ変わっていません。
時代が変わってもブレない面白さとファンへの安心感
長年のファンにとって、自分が大人になって社会で揉まれ、疲れて帰ってきた時に、スマホを開けばあの当時のノリのままのピッピたちがドタバタ劇を繰り広げているのを無料で読めるというのは、言葉では言い表せないほど本当に嬉しいことであり、一種の救いのようなものだと思います。世の中の流行り廃りは激しく、コンテンツがどんどん消費されて消えていく現代において、20年前と同じテンションで「ギエピー!」と叫び続けてくれる存在がいることの安心感は絶大です。時代が変わっても絶対に軸がブレない面白さがそこにはあり、それが今でも多くの大人のファンを惹きつけてやまない理由なのでしょう。通勤電車の中で読んで、思わず吹き出してしまいそうになる危険な漫画として、現在も輝き続けています。
ミアレシティを舞台にした復活
6ヶ月の沈黙を破る2025年後半の劇的な連載再開
そして、この記事を書いている現在の状況(2025年〜2026年)において、ファンの間で最も話題になっている最新の動向についてお話ししましょう。実は『ポケットモンスター アニキ編』は、2025年5月から作者の充電や準備などの理由により、一時的に約6ヶ月間の休載期間に入っていました。「このままフェードアウトしてしまうのでは?」と少し心配していたファンも多かったのですが、そんな不安を吹き飛ばす劇的なニュースが飛び込んできました。約半年間の沈黙を破り、2025年11月30日より『週刊コロコロコミック』にて堂々の連載再開を果たしたのです。この連載再開のニュースは、直後の2025年12月1日に多くのゲーム系ニュースサイトやまとめブログで一斉に報じられ、SNS上では「ギエピー復活!」「またピッピに会える!」と大きな歓声が上がりました。本作が現在進行形でアクティブな熱量を持つコンテンツであることが、改めて証明された瞬間でした。
最新ゲーム『Pokémon Legends: Z-A』との完璧なシンクロ
この連載再開後の最新エピソードがまた素晴らしいのは、単に昔の思い出をこねくり回すのではなく、しっかりと最新のポケモンコンテンツとリンクしている点です。復活後の物語では、ピッピと不憫なピカチュウが、現在世界中のファンが発売を心待ちにしているポケモンの最新ゲームタイトル『Pokémon Legends: Z-A(ポケモン ゼットエー)』の主要な舞台として設定されている巨大都市「ミアレシティ」に上陸するという、原作ゲームの最先端のプロモーション展開に完全にシンクロした胸熱なストーリーが描かれています。最新の舞台であるミアレシティの美しい街並みの中で、ピッピ、ピカチュウ、そしてレッドによる伝統的な「元祖ポケモンギャグ(食べ歩きや大破壊)」が惜しみなく展開されており、新旧のファンを大いに安堵させ、かつ爆笑させています。
公式SNSも巻き込んだ大々的なプロモーションの熱量
さらに注目すべきは、出版元の小学館側のプロモーションの熱量の高さです。週刊コロコロコミックの公式X(旧Twitter)アカウントでは、連載再開のタイミングに合わせて「なんとピッピがミアレシティに来た!っピ!」「事件の匂いしかしないっピ!」という、主人公ピッピの特徴的な口調を完全に模した大々的で遊び心のある告知が行われ、何万件もの「いいね」やリポストを獲得しました。この公式の熱の入れようを見ても、穴久保版ポケモンが単なる過去の懐かしい遺物などではなく、今なお出版社や読者にとって極めて価値のある重要なIP(知的財産)として大切に扱われていることが明確に理解できます。彼らがミアレシティでどんな騒動を引き起こすのか、毎週の更新が本当に楽しみでなりません。

永遠に輝くコロコロコミックのポケモンピッピ
単なるタイアップを超越した児童向けエンタメの記念碑
ここまで、非常に長い文字数で熱く語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。改めてこれまでの歴史と現在の状況を振り返ってみると、「コロコロ コミック ポケモン ピッピ(穴久保版ポケットモンスター)」という作品は、単なる人気ゲームの販売促進のための宣伝用タイアップ漫画という狭い枠組みを、遥か昔に超越してしまった特異な存在であることがお分かりいただけたかと思います。穴久保幸作先生の持つ独自の狂気と、綿密に計算されたハイテンポなギャグセンスによって、日本の漫画文化、とりわけ児童向けのエンターテインメント史において確固たる地位を築き上げた、まさに歴史的な記念碑と言える傑作です。原作の『ポケットモンスター』シリーズがハードウェアの進化とともに、システムや3Dグラフィック、重厚なストーリーテリングを高度に洗練させていく中で、本作は「人間の言葉を喋るポケモン」「極端に不潔で大食いなピッピ」「理不尽で粗野だが熱血漢の主人公・レッド」という、1996年の連載初期に確立された異端のフォーマットを一切ブレることなく頑なに守り抜きました。
不朽のネットミームとして生き続ける「ギエピー」
この時代に媚びない強烈な一貫性と、作者の特異な作家性こそが、23年間という『月刊コロコロコミック』での驚異的な長期連載を実現させ、さらには現在に至ってもなお新旧のファンから熱狂的に支持され続ける最大の原動力です。「ギエピー」というたった一つの悲鳴は、もはや一つの時代を象徴するポップカルチャーの記号としてインターネットの深海に深く根を下ろしており、今後も数年、数十年という単位で「あの漫画なんだっけ?」という定期的な検索需要が発生し続ける「エバーグリーン(不朽)」なコンテンツであり続けると私は確信しています。親から子へ、そしてネットミームとして見知らぬ誰かへ、ピッピのDNAは確実に受け継がれていくでしょう。
これからも続くピッピとレッドの果てしない冒険
今後も、デジタル版の『週刊コロコロコミック』などで、ピッピやレッドたちがミアレシティをはじめとする新しい世界で、どんな無茶苦茶で理不尽な冒険を見せてくれるのか、いちファンとして、そしてポケモンの世界を愛する者として本当に楽しみですね。昔コロコロをボロボロになるまで読んでいた方も、最近SNSのネットミームで「ギエピー」を初めて知ったという新規の方も、ぜひこの機会に現在の彼らの色褪せない活躍を直接チェックしてみてはいかがでしょうか。きっと、日常の悩みを吹き飛ばすような、くだらなくて最高な笑いがそこには待っているはずです。
※この記事で紹介している漫画の単行本巻数や連載の発表時期、また関連グッズ等の費用や価格に関する情報は、執筆時点でのデータに基づいたあくまで一般的な目安となります。正確な最新の出版状況や情報は、必ず出版社の公式サイト等をご確認ください。また、希少な絶版漫画の収集や高額な関連商品の取引等を行う際は、トラブルを避けるためにも最終的な判断は専門家にご相談のうえ、ご自身の責任で行っていただきますようお願いいたします。
